国内の高血圧患者は約4300万人、そのうち血圧をコントロールできているのは約1300万人と推計。高血圧と関係が深い心筋梗塞や脳梗塞で年間9万人以上が亡くなっている。それを防ぐべく、来年4月施行の「21世紀における国民健康づくり運動『健康日本21(第3次)』」において、減塩目標値が1日7グラムと厳しくなった。塩分をたくさんとると血圧が上がって高血圧、それに伴い心筋梗塞や脳梗塞などを起こしやすいからだ。

「ご自身で1日どの程度食塩をとっているのか、食品栄養表示などで確認してみてください」と、東京都健康長寿医療センターの原田和昌副院長。高血圧の診断・治療・研究を数多く行い、食生活の見直しの重要性についての啓発活動にも積極的に取り組む。

「食塩が1グラムでも少ない食品選びを意識するだけで、減塩につながります。また、食塩の成分のナトリウムは、食物繊維を食べると体外に排出されます。食物繊維は、LDL(悪玉)コレステロールも下げるので、毎食ごとに野菜を食べましょう」

「健康日本21(第3次)」の野菜摂取量の1日平均値の目標は350グラム。第2次と変わらない。ただし、2019年「国民健康・栄養調査」では、野菜摂取量の平均値は約280グラム。約70グラム足りないことになる。

「野菜ジュースや果物も活用しましょう。果物のカリウムはナトリウムを排出し、心筋梗塞や脳梗塞を予防するエビデンス(科学的根拠)があります。ただし、血糖値が上がりすぎる場合もあるので、食べ過ぎには注意しましょう」と原田副院長は話す。