長時間運動をすると、筋肉だけではなく内臓も傷つき、食物の消化吸収を行う消化管もダメージを受けます。運動に見合ったエネルギーをとるためには食事量も多くなるため、アスリートは普段から、おなかのコンディショニングが大切になります。食生活から腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを整え、改善することが大事になっていきます。
善玉菌を摂るプロバイオティクス
おなかのコンディションを整える方法としては、プロバイオティクスとプレバイオティクスがあります。プロバイオティクスは、ビフィズス菌や乳酸菌、納豆菌など人の腸内に存在する善玉菌そのものを摂取することです。ヨーグルト、チーズ、納豆、みそ、キムチ、ぬか漬け、酒粕などに有用菌が多く含まれています。
善玉菌のエサを摂るプレバイオティクス
一方のプレバイオティクスは、オリゴ糖や軟消化性でんぷん、水溶性食物繊維など腸内の有用菌の「エサ」を摂取し、自分の腸内細菌を育てること。育菌食材としては、リンゴ、バナナ、ゴボウ、タマネギ、キノコ類、豆類、海藻類などが挙げられます。
普段の食事では、ヨーグルトや納豆、みそなどの発酵食品、豆類、野菜、キノコ類、海藻類に含まれる食物繊維を取り入れていくことが大切です。ただ、食物繊維は摂りすぎると便秘の原因になったり、食事量を減らしてしまう可能性があります。1度に多量の摂取は控えましょう。また、ヨーグルトなどの乳製品が下痢や軟便を引き起こすこともあるので、自分自身に合った食品や量を見つけてみましょう。
腸内環境は、短期間ですぐに変化するものではありません。毎日コツコツ取り組んでいくことが重要です。豆類、野菜、キノコ類、海藻類などが苦手という選手は、少しずつでも良いので食べるようにしたり、食物繊維が不足しないように気を付けましょう。
今回は野菜(タマネギ、ゴボウ、ネギ)と豆腐、豚肉の入った「おなかを整える豚汁」を紹介します。
料理に慣れていない方は、ゴボウのささがきに少し苦戦するかもしれませんが、チャレンジしてみてくださいね。食物繊維も発酵食品もとれ、涼しくなった季節にぴったりの心もおなかもほっとする一品です。
管理栄養士、公認スポーツ栄養士。富山県内の給食委託会社や病院に勤務して献立作成や衛生管理、患者の栄養管理を行う一方、全国大会優勝を目標とするサッカー、ラグビー、バスケットボール、野球などの小・中・高校生へ栄養サポートや食育活動を行っている。
アスリートはおなかのコンディションも整えよう、発酵食品や食物繊維を積極摂取 - 管理栄養士・舘川美貴子:アスレシピ - アスレシピ
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