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Friday, April 29, 2022

“ほぼ卵”を再現した代替食品が話題「肉や魚介類に比べ鶏卵の再現は難しい」食物アレルギー配慮で給食需要も:北海道新聞 どうしん電子版 - 北海道新聞

 日本は世界2位の卵消費国。身近な食材として冷蔵庫に卵を常備している家庭は多いはずだ。しかし、なかには食物アレルギーで卵を食べられない人もいる。さらに近年は健康志向の高まりや環境への配慮から、植物由来の食品(プラントベースフード)を選択する人も増えている。こうした食の多様性に応えるべく、日本で最も多くの鶏卵を扱う食品メーカーであるキユーピーが、この春より植物由来の卵代替食品『HOBOTAMA』の市販を開始。“卵のリーディングカンパニー”としてのこだわりや、プラントベース卵の未来について話を聞いた。

【画像】まるでホテルの朝食…ふわふわのオムレツやスウィーツも作れる『HOBOTAMA』

◆インバウンド向けに開発後、食物アレルギーへの配慮から保育園などの給食需要が高まる

 植物由来の原料で“ほぼ卵”を再現したキユーピーの新商品『HOBOTAMA』。昨年6月に業務用で展開をスタートし、この3月より東京・神奈川・千葉の一部エリアで一般に向けて通信販売(Amazonフレッシュ)を開始した。

 市販用商品は『HOBOTAMA スクランブルエッグ風』(税込214円)、『HOBOTAMA 加熱用液卵風』(税込182円)の2商品。どちらも卵1個分に相当する1パック60グラム入りで、冷凍で販売される。それぞれの商品の特徴を、『HOBOTAMA 加熱用液卵風』の開発にあたったキユーピーの研究開発本部・古川直大さんに聞いた。

「『スクランブルエッグ風』のベースは豆乳加工品で、白身と黄身がバランスよく混ざったような外観になるように工夫しています。シェフが手作りしたようなトロトロの半熟感はもちろん、おいしそうな色合いやツヤ感にもこだわっています。解凍してそのまま、あるいはサラダやサンドイッチなどにしてお召し上がりいただけます」

 開発のゴールに定めたのは、味わいは大前提として「ホテルの朝食でスクランブルエッグを食べたときのような高揚感までお届けすること」だったという。

「業務用商品は、プラントベースフードを提供しているホテルや飲食店、さらには食物アレルギー配慮の観点から、保育園や幼稚園の給食などで採用が進んでいます。一方で、一般のお客さまから購入したいという声を多数いただいたことから、ご家庭で使いやすい市販用商品の開発が始まりました」

◆実はアーモンドパウダーが主原料…肉や魚介類に比べ鶏卵を再現するのは技術的ハードルが高い

 『加熱用液卵風』は加熱すると固まるという卵の特性を再現。黄身と白身が均一に混ざった溶き卵のイメージで、さまざまな家庭料理に取り入れることができる。

「脱脂アーモンドパウダーを主原料とした商品で、フライパンで焼いて炒り卵や卵焼き、オムレツなどに。またプリンやクッキー、パンケーキ、お好み焼きなどにも卵の代わりに使えます。ただしあくまで加熱用であり、卵かけご飯のように“生”で召し上がるのは推奨していません」

 “ほぼたまご”を再現した『HOBOTAMA』だが、「卵とまったく同じものではないこともお伝えしたい」と古川さんは強調する。

「お料理をする方ならよくご存じだと思いますが、卵は溶き方や火の通し加減で食感や状態がまったく変わりますよね。それは鶏卵には非常に多くの成分が、複雑かつ奇跡的なバランスが入り混じって構成されているから。単純に同じ成分を別の食材に置き換えても本物の鶏卵を完全に再現することは難しく、プラントベースフードでは肉や魚介類と比べても技術的なハードルが高い領域と捉えていますが、チャレンジしがいのある研究です」

 近年は世界各国の食品メーカーがプラントベースの卵代替食品の開発に乗り出している。昨年はシンガポールで世界初の白身と黄身が分かれている代替全卵が誕生したというニュースもあったが、たしかにそれもあくまで“ゆで卵の再現”であって“鶏卵の再現”ではない。

「卵代替食品を開発する際には『どのような価値を提供したいか』によって技術構築の方向性が決まります。『HOBOTAMA 加熱用液卵』については、料理をする楽しさも含めて、家庭でよく作られる卵料理に幅広く使える汎用性を価値と定め、『加熱によって固まる物性』を追求してきました」

 とは言え、卵の固まった状態も加熱や調理の方法によってさまざまだ。たとえばかき玉スープのような状態は『HOBOTAMA 加熱用液卵風』では再現できないという。

「キユーピーグループは日本で最も多くの卵を扱う、卵に精通したメーカーとしての自負があります。どんな状態のプラントベースの卵代替食品でも『再現できないことはない』と捉え、お客さまのご要望を鑑みながら開発に邁進したいと考えています」

◆プラントベースフードの味作りでは、いかに“青臭さ”を感じさせないようにするかが重要

 多様な食の選択肢に応える食品として今話題のプラントベースフード。しかし食の喜びとして欠かせないのはやはり「おいしさ」だ。近年は本物と遜色のない味わいや食感の肉や魚介類の代替食品がバラエティ番組で話題になったが、「植物由来の食品=青臭い」という固定観念は今なお根強い。

「植物性特有の青臭さ成分をすべて取り除くのは非常に難しく、私も世間に流通している代替食品を幅広く試食・研究しましたが、“青臭さ成分”がゼロのプラントベースフードに出会ったことはありません。プラントベースフードの味作りではいかに青臭さを感じさせないようにするかが重要で、『HOBOTAMA』でも目指してきたところです」

 筆者もスクランブルエッグ風を試食してみた。バターを使っていないためか比較的あっさりな味わいで、絶妙なとろとろ具合がプロの技を感じさせる。肝心の青臭さだが、舌が鋭敏な人は気づくかもしれない? といった程度だった。

「卵のリーディングカンパニーをめざしているキユーピーグループの使命は、すべてのお客さまに卵の魅力をお届けすること。これからも鶏卵の価値を追求し続けながら、新たなニーズに寄り添うために、プラントベースの卵代替食品に取り組んでいます。ですからおいしさは大前提であり、その上で多様な食の価値観に応えていきたいと考えています」

 世界的な潮流となっているプラントベースフードだが、国内市場も直近10年で5倍に拡大(TPCマーケティング調べ)。コロナ禍による健康志向の高まりから、今後はさらなる伸長が予測されている。キユーピーを始めとする日本の大手企業の参入もまた、プラントベースフードの普及とクオリティ向上の追い風となるだろう。なお現在、『HOBOTAMA』は首都圏エリアの通販限定だが、順次販路を拡大していくとのことだ。

(文/児玉澄子)

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