2023年04月03日07時06分
4月を迎え、小学校などで初めて給食を食べる新入生も多い。そこで注意が必要になるのが食物アレルギーだ。給食で初めての食材を口にして起きる「新規発症」のケースもあり、専門医は「異変が出たらすぐに119番を」と呼び掛ける。
給食での食物アレルギーを巡っては、2012年12月に東京都調布市立小で起きた死亡事故が知られる。乳製品にアレルギーがある5年生の女子児童=当時(11)=にチーズ入りチヂミが誤って提供され、強いアレルギー反応「アナフィラキシーショック」を起こして亡くなった。学校側もアレルギーについて把握しており、女児は症状を一時的に緩和する自己注射薬「エピペン」を持っていたが、打つのが遅れた。
事故を受けて文部科学省が13年に実施した調査では、食物アレルギーがある小中高生は全体の4.5%を占めた。食物アレルギーへの警戒や関心は高まったが、誤配などによる発症は今も各地で続く。
調布市は事故後、現場の教職員と医師をつなぐホットラインを開設した。接続先の東京慈恵会医科大第三病院(同狛江市)の勝沼俊雄医師(小児アレルギー)は「相談は年間30件ほどで、新規発症の例もある。食物アレルギーはいつでも誰にでも起こり得る」と強調する。
勝沼医師によると、子どもがアレルギーを起こしやすいのは卵や乳製品、小麦粉、ナッツ類など。給食に加え、遠足でお弁当のおかずを交換する場合も注意が必要だ。
勝沼医師は「アレルギーがあると事前に分かっている場合、学校は給食の誤配などを想定し、エピペン注射や救急車要請をどの段階で行うか話し合っておいてほしい」と指摘。「注射は、アナフィラキシーショックの前段階となるじんましんなどの発症から30分以内だと救命率が大きく上がる。新規発症の場合は注射できないので、速やかに119番を」と訴えている。
新入生、食物アレルギー注意 給食で突然発症も―専門医「異変出たら即119番」 - 時事通信ニュース
Read More
No comments:
Post a Comment