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Wednesday, May 26, 2021

食物由来の肉代替品「ビヨンド・ミート(Beyond Meat)」は美味しい?|ビヨンド・バーガーのレビュー - Esquire

本記事は、「メンズヘルス」US編集部のポール・キタによる寄稿になります。

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 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、予定通りに発表会が開催できないことも考慮し、Beyond Meat(ビヨンド・ミート)社は2021年5月初めに、いち早く「BEYOND BURGER(ビヨンド・バーガー)」のニューバージョンを発売しました。そしてそのリリースには、“ブランドの象徴的なハンバーガーで次なる定番商品”“期待の新星”とつづられています。

 ということはつまり、この文面からは、この商品の開発から完成に至るまでの過去12カ月間は、既存商品に対してのブーイングも多かったことが推測できます。

 頻繁にフェイクミートのテスターにもなった筆者の私(ポール)は、最初はしぶしぶこの「ビヨンド・バーガー」の新作を試してみました。ですがその結果は、マーケティング戦略に長けた米IMPOSSIBLE FOODS(インポッシブル・フーズ)社の「ソイビーンズ・バーガー」とは違って、その風味はなかなかのもの。同社既存のハンバーガーも悪くなかったですし、数年前に販売された「ソーセージ」も本物のような歯ごたえが魅力的だったのを思い出しました。
 

◇ビヨンド・ミート(Beyond meat)とは?

 まずは、「ビヨンド・ミート(Beyond meat)」社の解説を。

 日本ではまだまだ馴染みの薄いと思われるビヨンド・ミート社は、2009年にイーサン・ブラウン(Ethan Brown)によって設立された植物ベースの肉代替品を製造するロサンゼルスを拠点とする生産者です。 同社の最初の製品は、2012年に米国で発売されました。かつては 、「Savage River(サベージ・リバー)」社という名称でした。

 植物由来の代替肉を開発・製造する同社は、ハリウッド・スターのレオナルド・ディカプリオやマイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツの資本参加でも知られる「食品テクノロジー企業」であり、2019年5月2日にナスダックに上場しています。

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▼ビヨンド・ミートの原料・成分は?

 ビヨンド・ミートは、牛肉の分子構造をMRIにかけ分析し、牛肉の食感に近いエンドウ豆のタンパク質の成分など、すべて植物由来の成分からつくられています。

 脂身に関しては、ココナッツオイル・圧縮キャノーラ油・サンフラワー(ひまわり油)によって「代替肉汁」が再現されているそうです。

 つまり、100%食物由来の素材によって、牛ひき肉の食感に近い人工肉を生み出したのです。肉の赤身らしい色には、赤かぶ(ビーツ)の色素が使用されています。

新作「ビヨンド・バーガー」は
美味しいです。
けれど、疑問も残ります

 このようにして「植物ベース」の肉のような製品が世の中に馴染んでいくと、ビヨンド・ミートのような大手ブランドは新しい顧客を引き付けながら、これまでの顧客から信頼を深めるために、どのような施策を行うのか私は注目してみました。

 少なくともビヨンド・ミート社に関してその答えは、そんなに多くはないのではないかと思っています。でしょうか? その答えは、それほど多くないようです。

 彼らが行った施策の一つは、成分リストから緑豆タンパク質を削除し、いくつかのビタミンBを追加すること。そうしてハンバーガー1個あたりのカロリーは270から230キロカロリーへ、総脂肪含有量に関しては20から14グラムへと削減されました。

 つまり、それは内部的な施策を行ったということになります。

 ビヨンド・ミート社のCIO(情報システム部門における最高情報責任者)であるダリウシュ・アジャミ (DariushAjami)は、プレスリリースに「私たちは、植物由来の牛肉のプラットフォームが美味しく満足のいく感覚体験を皆さんに提供できるよう、その肉の風味をより深いレベルへと進化させうようと継続的に取り組んでいます」と記しています。

 また、こうも記されています。「新しい『ビヨンド・バーガー』の豊かなフレーバープロファイルは牛挽肉のそれに遜色なく、消費者による広範囲におよぶテストによれば、『赤肉80/脂肪20の牛挽肉バーガーと同等の好感度』といった良好な結果を得ています」 とのこと。では、この新しい「植物ベースの牛肉プラットフォーム」は、どのように栄養と「満足のいく味覚体験」をわれわれに提供してくれるのでしょうか?

 それでは、確認していきましょう。

◇ビヨンド・ミート社の新しい「ビヨンド・バーガー」の中身は?

 ホームページ掲載の成分表は、下記のようになっております。

水、エンドウ豆タンパク質、圧搾抽出キャノーラオイル、精製ココナッツオイル、米タンパク質、天然香味料、乾燥酵母、ココアバター、メチルセルロース。含有率1%以下:ポテトスターチ、食塩、塩化カリウム、ビートジュース色素、リンゴエキス、ザクロ濃縮液、ヒマワリレシチン、酢、レモン濃縮液、ビタミン・ミネラル類(硫酸亜鉛、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、パントテン酸カルシウム)

 「ビヨンド・バーガー」はの赤身はエンドウ豆と米からのタンパク質で構成され、脂質はココナッツオイルとココアバターから製造。その他にもさまざまな材料を使用し、総脂肪と飽和脂肪を低く抑えながら、見た目も味も本物の牛肉に近づけています(本物の牛肉に近づけるということが、ビヨンド・ミート社にとっての重要なポイントです。こちらについては後述します)。

◇ビヨンド・ミート社の新しい「ビヨンド・バーガー」の栄養素は?

 下記にまとめました。新しい「ビヨンド・バーガー」の栄養素は、このようになっております。

パティ1枚(4オンス、113g)あたり:230カロリー、タンパク質:20g、炭水化物:7g(食物繊維:2g)、脂質:14g(飽和脂肪:5g)

 ちなみに、(ライバル社とも言われている)インポッシブル・フーズ社のハンバーガーはというと…、

パティ1枚(4オンス、113グラム)あたり:240カロリー、タンパク質:19g、炭水化物:9g(食物繊維:3グラム)、脂質:14g(飽和脂肪:8g)

▼米国代替肉2強:ビヨンド・ミート社やインポッシブル・フーズ社で比較

 ビヨンド・ミート社やインポッシブル・フーズ社が目指している、赤肉80/脂肪20の牛挽肉のパティはというと…、

調理済みのパティ1枚(4オンス、142g)あたり:307カロリー、タンパク質29g、脂質20g(飽和脂肪7.66g)

 したがって、ビヨンド・ミート社のプラントベースのハンバーガーのほうが、インポッシブル・バーガーよりもカロリーや飽和脂肪も少なく、たんぱく質は多いといったアピールが可能となります。

 さらにビヨンド・ミート社の新作ハンバーガーは、商品パッケージに「赤肉80/脂肪20の牛挽肉パティよりも飽和脂肪が35%カット」と明記しているように、カロリー数と飽和脂肪数も少ないことがウリとなっています。

 この声明は真実のようです。私はこれらの数値を「メンズヘルス」US編集部のリサーチ部門に確認しました。このチームは、私よりもはるかに加熱による水分損失率の計算に長けています。その計算に関しては、「夢にも出るくらい」と言うほどです。ただし、水分損失率の計算方法の説明に関しては割愛させていただきます。

◇ビヨンド・ミート社の新しい「ビヨンド・バーガー」はヘルシーで健康的なのか?

 それはまだわかってはおりません。

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PAUL KITA

 「メンズヘルス」US編集部では、2010年代半ばにプラントベースのフェイクミートがトレンドになってから、その動向を追い続けてきてきました。私は、食品および栄養部門の編集者として、このテーマについて多くの著名な医学博士、博士、理学博士に話を訊き続けてきています。また、プラントベースの食事についての本も執筆してきました。

 プラントベースの食生活を推進している方も含めたこれらの専門家の意見では、「プラントベースのフェイクミートが、人間の食生活にどのような影響を与えるのか?」に関しては未だデータ不足で、推察を出すにも時期尚早ということです。この分野はまだ新しく、こういった食品を含む食生活の健康上の利点を示す研究もほとんどありません。

 

▼植物性の肉は、コレステロール値、心臓病の危険因子、体重の改善に期待できる?

 ビヨンド・ミート社は、栄養学と臨床栄養学の学術誌である『アメリカ臨床栄養学会誌』に掲載されたスタンフォード大学が支援した研究結果を引用しています。それは、「8週間にわたり動物性の肉の摂取をやめ、ビヨンド・ミート社の植物性の肉を摂取した研究参加者に関して、(LDLを含む)コレステロール値、心臓病の危険因子、体重において改善があった」とする研究結果になります。

 しかし、この研究結果に対して留意しなければならないこととして、「ビヨンド・ミート社によって支援を受けた研究」であることを無視してはならないでしょう。

 「『研究支援』が、その研究結果に影響を与えることはないのか?」―これは、あるビーガン賛同者の映画製作者が、食品業界に向けて放った言葉です。すると(ビヨンド・ミート社を研究している方たちを含む)研究者たちは、この考えを擁護しています。

▼さらに歯科界では、安全とは言われている「アマルガム」が含有されていることも無視できない点でしょう。

 しかしながら、例えこのスタンフォード大学の研究に対する擁護を受け入れたとしても、他にも重大な懸念点があることを忘れてはいけません。それは「アマルガム(amalgam)」の含有に関してです。「アマルガム」とは、水銀と他の金属との合金の総称で、歯科治療材料の1つとして世界中で150年以上使用され、広く知られている素材です。

 「水銀」を含んでいるということで、その影響は懸念されるのも仕方ないことでしょう。そんな中現在、世界的に歯科医師の世界では「アマルガム」を使用することを廃絶しようと取り組んでします。日本歯科医師会を含む日本の歯科界の基本的な姿勢もこれに同じです。ですが、これは「アマルガム」そのものが「危険である、人体に有害である」ということではないことも知っておいてください。これに関してが、「アマルガム」という詰め物に水銀が使用されるため、水銀そのものを地球規模で廃絶しようという考え方に賛同し、また水銀によるさまざまなリスクを歯科界から失くそうという考えから、廃絶に取り組もうとしているところです。

 ですが、これもまた歯科界で詰め物として使用した際の「アマルガム」に対する見解です。加工肉に含まれている「アマルガム」に関しては、身体に害が及ぶのかどうか証明する十分な科学的研究がまだされていないということで多くの研究者の意見は一致していることは忘れてはいけないでしょう。

 食品に関する研究結果として数多くの実証がなされているのは、「加工されていない本物の果物や野菜を食べるほうが、はるかに健康に良い」ということぐらいです。

◇それでは、飽和脂肪酸についてはどうでしょうか。

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LAURIPATTERSON

 ビヨンド・ミート社は、「飽和脂肪酸の少なさ」をマーケティングの大きな戦略としています。現に同社は2021年の後半に、赤肉80/脂肪20の牛挽肉の飽和脂肪酸を半分に抑えた「ビヨンド・バーガー」のパティ第2弾を発売する予定となっています。しかし、ここで問題となってくるのが、飽和脂肪酸は健康面において過剰に懸念されているのではないかということです。『アメリカ人のための食生活指針2020-2025』によると、飽和脂肪酸の摂取量は1日の総カロリーの10%未満に抑えるべきだとしています。

 今年(2021年)初めに「メンズヘルス」US編集部が、飽和脂肪に関する調査で報告したのは、「全食品中の飽和脂肪酸が10%であれば、それほど制限されるものではないということです。例えば1日に卵3個、ベーコン2枚、たんぱく質をカットしていないギリシャヨーグルト1食、バターをトッピングした170gのステーキをコップ一杯の牛乳で流し込むようなことをしなければ…」といった内容になります。

 それに、平均的なアメリカ人が食べる飽和脂肪のうちわずか28%が、1枚のお肉やコップ1杯の牛乳といったタンパク質や乳製品に由来するものです。60%を占めているのがアイスクリームやピザなど、複数の材料が使われている食品から摂取しているのです。

 プラントベースの「お肉」というと、1992年にナビスコ社が発売して大流行となった低脂肪ながら満足度の高いスナックウェルズの「デビルスフードクッキーケーキ」(現在はB&G Foodsが販売)やスキニーガールの「ローカーボ サラダドレッシング」からイメージする「ヘルシーさ」を思い出す方も多いと思います。しかし、他の問題点も生じたことも。

 ビヨンド・ミート社の新作「ビヨンド・バーガー」のパッケージを剥がしながら、これから自分の身体に摂取しようとしているものが一体何なのか? また、他の食べ物の味を真似ようと必死につくられているこの食べ物は一体何なのか? 私の頭は疑問符でいっぱいになったことは否めません。

◇ビヨンド・ミート社の新しい「ビヨンド・バーガー」の味は?

 個人的には、とても美味しいです!

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ポール自身がつくった、ビヨンド・ミートを使用したバーガー。

PAUL KITA

 現代の食品工学は偉大な偉業を成し遂げることができますが、この新しい「ビヨンド・バーガー」も例外ではありません。そのままの味を味わうために、パッケージに記載されている調理時間を守り、説明の焼き方に沿ってハンバーガーをつくりました。

 その結果は、フェイクミートパティにはビーフバーガーのような焼き目がつき、特に円周にはしっかりとした焼き目がつきました。

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PAUL KITA

 普段、ビーフバーガーをつくるように、塩を振り味付けをしてしまいましたが、「ビヨンド・バーガー」にはあらかじめ味つけがされていることを後で知りました。

 しかし、塩を加えたことで、このハンバーガーの旨味がより増したと思います。ひと口目は肉のような味わいがあり、これまでのベジバーガーにはない味わいがありました。それから牛肉では感じないように、味は薄れていきます。

 私がこれまでに試したプラントベースのパティは、どれも「脂肪」の問題が解決できていませんでした。牛の脂肪は、「クリーミー」とも言える豊かな食感が残りますが、偽物の牛脂には、ココナッツミルクのような油っぽさが残り、それが長く続きます。これは味を壊すものではないのですが、食べていて気になるものでもあります。

◇まとめ

 新しい「ビヨンド・バーガー」は粗悪なビーフバーガーとは異なって、油っぽさやお腹の変な膨張感は感じさせないものでした。しかしながら、丁寧に育てられた牛肉からつくられた良質なハンバーガーと比べてしまうと、「ビヨンド・バーガー」には若干の物足りなさを感じてしまいます。

 まさに前述の、「スナックウェルズ デビルス フードクッキーケーキ」を食べているのと同じ感覚です。本物ではありませんし、不安がないと言っては嘘になります。

Source / Men's Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。

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