Q 子どもがピーナツを食べたらじんましんが出たよ。
ヨミドック 食物アレルギーかもしれません。目の腫れや息苦しさ、 嘔吐 が出ることもあります。アレルギー症状が全身に一気に表れ、呼吸困難などが起きる「アナフィラキシー」と呼ばれる危険な状態になる場合もあります。
Q 食物アレルギーのある子どもは増えているの?
ヨ はい。日本学校保健会が2022年度に全国の公立小中高校などを対象に大規模な調査をしました。その結果、食物アレルギーがある小中高生は52万6705人(回答者の6・3%)にのぼるとわかりました。13年度の前回調査では、40万7546人(同4・5%)で、9年間で1・3倍に増えています。
Q なぜ増えたのかな。
ヨ 原因は複数あると考えられます。花粉症の人は果物類のアレルギーを発症しやすいと指摘されています。子どもの花粉症の増加や木の実アレルギーの急増も要因です。特にクルミは健康食品として人気が高く、消費量が増加傾向で、食物アレルギーに注意が必要な特定原材料として今年、表示が義務づけられました。また、食物アレルギーは乳幼児の頃に発症しても、小学校にあがる前に治るケースが多くありました。しかし、今は治らないままの子どもが増えている可能性もあります。
Q 何を食べると起きる?
ヨ この調査によると、鶏卵が最も多く、食物アレルギーのある小中高生の4人に1人の原因になっています。果物類、甲殻類、木の実類、ピーナツなどが続きます。医療機関での問診と検査で原因を特定します。
Q どうして起きるの。
ヨ 体を外界の異物から守る免疫と関係しています。免疫が、本来は無害な特定の食べ物を「有害」とみなすことが原因です。その食べ物が口から入ると攻撃され、様々なアレルギー症状が出ます。
Q 防ぐ方法はある?
ヨ 根本的な薬はありません。原因となる食べ物を避けることが重要とされています。ただ、最近は、アレルギーの原因となる食べ物を少しずつ毎日食べて、症状を起こさずに体質を改善させる「経口免疫療法」も注目されています。まだ一般的ではないため、専門の医療機関で医師と相談して進めてください。(加納昭彦/取材協力=海老沢元宏・国立病院機構相模原病院臨床研究センター長、公益財団法人日本学校保健会)
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ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
食物アレルギーのある小中高生 9年間で1.3倍に…原因となる食べ物で最も多いものは? - 読売新聞オンライン
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