食物繊維の摂取量が多い人はうつ状態になりにくいことが、複数の研究データを統合した解析で明らかになりました(*1)。
食物繊維を積極的にとると、うつの予防につながるかもしれません。(写真=123RF)
健康的な食事はうつ状態のリスク低下と関係、では食物繊維は?
抑うつ(気分が落ち込み意欲が低下した状態。抑うつ状態、うつ状態とも呼ぶ)と不安は、人々の生活の質を低下させ、さらには心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)のような慢性疾患のリスクの上昇にも関係することが知られています。抑うつの予防と治療法の確立には、危険因子を明らかにすることが欠かせません。
これまでに、食習慣が抑うつの危険因子の1つであり、健康的な食事、すなわち、野菜、果物、魚、オリーブオイル、ナッツ、豆類などの摂取が、抑うつ症状および不安症状と逆相関することが示されていました。野菜と果物は食物繊維を豊富に含むことから、食物繊維の摂取も抑うつや不安と関係するのではないかと考えられていましたが、これについては一貫した研究結果が示されていませんでした。
そこでイランのテヘラン医科大学などの研究者たちは、過去に行われた複数の観察研究のデータを統合して解析し、食物繊維の摂取と抑うつおよび不安の関係を検討することにしました。
著者らは、文献データベースに2021年5月までに登録されていた文献の中から、食物繊維の摂取と抑うつまたは不安の関係を調べた18件の観察研究を選びました。4件が米国、3件が欧州、9件がアジア、2件がオーストラリアで行われた研究で、1件を除いていずれも健康な人を対象としていました。対象者の平均年齢は12.5歳から75歳の範囲でした。
ほとんどの研究が食物摂取頻度調査を行い、その結果に基づいて食物繊維の摂取量を推算していました。全ての研究が抑うつ状態について分析しており、1件のみが不安症状について報告していました。不安については、条件を満たした研究が少なかったため詳しい分析は行えませんでした。
「食物繊維」の摂取量が多い人はうつ状態になりにくい - 日経Gooday
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