全身性の炎症状態に影響するとして注目を集める「腸内フローラ」。ヨーグルトやキムチなど発酵食品との関係が指摘されるが、実際に健康面への効果はあるのか。米スタンフォード大学などの研究者たちは、10週間の介入試験を実施した。
発酵食品を積極的に食べることで、腸内フローラの多様化や慢性炎症傾向の改善につながる可能性が示唆された(写真=PIXTA)
普段の食事で発酵食品をたくさんとると、腸内フローラ*1の多様性が増し、全身性の炎症が抑制される可能性があることが米国の研究で明らかになりました。
先進国では、工業化が進むにつれて慢性疾患の患者が増加し、並行して腸内フローラも変化してきたことが分かっています。また、米国に移民した人たちを追跡した研究では、移民後に腸内フローラが速やかに欧化し、肥満が増えて、炎症レベルを示す検査値も悪化した、と報告されています。
腸内フローラは全身性の炎症状態に影響すること、そして慢性疾患の多くに慢性炎症が関係することから、食事によって腸内フローラのバランスを変化させられるなら、食習慣を見直すことにより、全身性の炎症を弱め、慢性疾患のリスクを低減できるのではないかと考えられるようになりました。
近年、腸内フローラに好ましい影響を与える可能性があるとして注目されているのが、食物繊維と発酵食品です。食物繊維の摂取量が多い人ほど死亡率が低いとする報告があるほか、食物繊維の摂取を増やすと、腸内フローラに変化が生じ、健康関連の検査値も改善することが示唆されています。
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全身性の炎症が抑制される可能性を示唆 発酵食品で腸内フローラ多様化 - 日経ビジネスオンライン
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