帝人の水溶性食物繊維「イヌリア」が静岡県内の給食用パン素材に採用された。イヌリアを使った商品には、おなかの調子を整える作用があるといい、水に溶けやすいのでパンの製造工程にも取り入れやすいという。各学校の管理栄養士が献立を考える際にイヌリア入りのパンを選択できるようになる。イヌリアは外食チェーンでの採用事例はあったが、給食への採用は初めてだ。
帝人は2018年にオランダの食品素材メーカーと水溶性食物繊維「イヌリン」の国内独占販売契約を結び、イヌリアのブランド名で国内販売を始めた。イヌリアは野菜のチコリの根から得られる食物繊維で、食品や飲料に混ぜることで腸の動きが活発になるという。同社は飲料に混ぜる粉状の商品も発売している。
むつみ製パン(浜松市)などが製造する給食向けのコッペパンと角型食パン、山型食パンの3種類で22年1月に採用が決まった。原料の小麦100グラムあたり5グラムのイヌリアを加えている。昼食にイヌリア入りのパンを食べると、文部科学省が定める給食1食あたりの食物繊維の摂取基準の約9割を摂取できるという。夏休み明けから静岡県内の児童や生徒、教職員など最大31万人に提供する。
同社はイヌリアを使った商品について消費者庁に整腸に関する機能性表示食品の届け出を行い、受理されている。サンドイッチチェーンの日本サブウェイ(東京・品川)でソースに使われている。九州のパン製造販売会社での採用もあったが、今後は学校向けの拡大も狙う。
帝人の食物繊維、給食のパンに採用 静岡で - 日本経済新聞
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