コロナ禍による自粛生活が続く中、便秘に悩む人が増えていることが調査結果で判明した。
便秘というと女性に多いイメージがあるが、男性も便秘に悩むことがあるだろう。そこで今回は、男性向けの便秘予防や解消法について、男性の腸活アドバイザーに聞いた。
「便の回数が減った」56%、「便秘になった」約43%
ウンログが、2020年4月に実施した「新型コロナウイルス対策とうんちに関する実態調査」では、新型コロナウイルスへの不安や、緊急事態宣言、外出自粛によってストレスを感じている人のうち、51.3%は、排便やうんちの状態に変化があったと回答した。
排便やうんちの変化の具体的なところを尋ねたところ、「うんちの回数が減った」が56.0%、次いで「便秘になった」が43.3%となった。
これらの原因は気になるものだが、生活面での変化にフォーカスすると、外出自粛によって生活に変化があった人は71.6%となり、中でも「運動量が減った」と回答した人は87.5%、「同じ姿勢でいる時間が増えた」は86.9%となった。
本調査では、人それぞれ原因は異なるにせよ、コロナ禍による自粛生活が、便通に影響を及ぼしている可能性が感じられる。
コロナ禍による便秘の原因は?
ところで、30~40代男性ビジネスマンがコロナ禍で便秘になったという場合、何が原因として考えられるのだろうか。腸活アドバイザー白石篤志氏に聞いたところ、男女問わず、コロナ禍で便秘になる理由は大きく分けて3つあるという。
【取材協力】
白石篤志氏
1985年広島県生まれ。腸活アドバイザー・オンライン腸活企業研修講師・ファスティングマイスター腸活オンラインコミュニティ「腸活パズル」運営。「腸活パズル」会員数130名以上。
腸活パズル
https://chokatsu-puzzle.com/?ref=131&refml=toimen1125%40gmail.com
1.食事の変化
「コロナ禍で在宅によって偏った食事をするケースが増えていると考えられます。最近ではデリバリーサービスが発達したことにより、簡単に食事摂取ができるようになりました。また、食事量が増えたことにより、腸への負担が増えていることもあるでしょう。デリバリーサービスの人気メニューを見ていても、肉の揚げ物や炒め物などが多く、食物繊維や発酵食品が少なくなっている可能性があります」
2.運動量の減少
「テレワークによって行き帰りの通勤がなくなり、運動量が減っている人は多いでしょう。腸を動かすためには、お腹周りの腸腰筋(ちょうようきん)という筋肉が重要になってきます。腸腰筋は足を上げたりするときに使われる筋肉になります。よって普段、通勤で歩いているときや、駅やオフィスビルで階段を使っているときのような、足上げ運動をする機会が無くなると、腸腰筋が動きにくくなって、便秘にもつながってきます」
3.自律神経の乱れ
「腸は、自律神経のうち、副交感神経が優位のとき、つまりリラックスしているときに動くといわれています。そのため、この副交感神経が優位に働かないと便秘になりやすいといえるのです。現在は、コロナ禍によってテレワークなど、慣れない環境での働き方において、ストレスを感じやすい状況になっています。ストレスを感じていると、特に興奮しているときに働く交感神経が常に優位になりやすくなります。以前は、仕事のストレスを多少感じても、時々同僚などと会って話すことで、ストレス解消や楽しさを感じることが可能でしたが、今ではそれらの時間がなくなっています。そのため、現在は、日中、交感神経が常に優位になっている状態、つまり便秘になりやすい状況にあると考えられます」
男性におすすめの便秘対策・腸活習慣5つ
そこで、白石氏に、特に男性におすすめの継続できる便秘対策・腸活習慣を5つ教えてもらった。
1.水溶性食物繊維を積極的に摂る
「食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性食物繊維は、お腹の中で水分と一緒になると、ふくらむ性質があります。便のカサになって腸の蠕動運動を活性化してくれます。一方で、水溶性食物繊維は水分を含むとゲル状になります。便の水分を保持してくれるので、硬い便のときに排便しやすくしてくれます。
便秘の際は水溶性食物繊維を意識してとることがおすすめです。食材のキーワードは『ねばねば・海草類・雑穀・麦』です。納豆、オクラ、山芋、わかめ、めかぶ、もずく、オートミール、もち麦などがあります。どれも手軽に摂取できるので、ぜひ取り入れましょう」
2.「ま・ご・わ・や・さ・し・い」を意識した定食を食べる
「『ま・ご・わ・や・さ・し・い』を意識した定食を食べましょう。
ま⇒豆 動物性たんぱく質が豊富
ご⇒ごま 便秘にもいいマグネシウムなどミネラルが豊富
わ⇒わかめ(海藻) 水溶性食物繊維と海のミネラルが豊富
や⇒野菜 いろんな種類の野菜から食物繊維
さ⇒魚 たんぱく質としても優秀で、オメガ3という良質な脂質が豊富
し⇒しいたけ(きのこ類) 不溶性食物繊維が豊富
い⇒いも 食物繊維が豊富
毎日、これらの食材の入っている和食、定食を意識して食べましょう。ごはんは雑穀米やもち麦を混ぜて食べるのがおすすめです。それらは水溶性食物繊維が豊富に含まれています」
3.週2回以上のスロージョギングをする
「週2回以上、スロージョギングを行いましょう。スロージョギングは、足を上げるので腸腰筋などお腹周りの筋肉を動かすことができます。また腸への刺激にもなり、排便しやすさにもつながります。スロージョギングなどの運動は『積極的な休息』に当たるため、ストレス解消にもなり、自律神経を整えることにもつながります。
特に朝に行うのがおすすめです。日光を浴びることによって体内時計(サーカディアンリズム)がリセットされます。そして睡眠ホルモンといわれるメラトニンが日光を浴びてから14~16時間を経過すると分泌され、睡眠の質にも良い影響が生まれます」
4.「腸のゴールデンタイム」までに寝ることを前提として90分前にお風呂に入る
「お風呂に入ることで、体の内部の温度である『深部体温』と、皮膚表面の『皮膚体温』の差が大きくなります。その後、身体が自然とこの2つの体温を近づけようとするときに、眠気が強くなります。眠気が強くなるのは入浴して90分後といわれていますので、そのタイミングで入眠することがおすすめです。腸壁の細胞が修復されるといわれる『腸のゴールデンタイム』といわれる時間までに就寝しましょう。腸のゴールデンタイム起床から15~19時間後を指します。朝7時に起床したとすると、腸のゴールデンタイムは夜10時~深夜2時になります」
5.寝る前にスマートフォンを触らない
「寝る前に、スマートフォンでSNSや動画を見ることは多いかと思いますが、睡眠の質を下げてしまいます。スマホのブルーライトによって交感神経が優位になってしまい、腸が動きにくくなるといわれているためです。寝る前は日記をつけたり、読書をしたり、軽くストレッチするなどして、リラックスする時間を過ごしましょう」
腸活ダイエットで「10ヶ月で-18kg」を実現
ところで、白石氏自身、10ヶ月間、腸活をすることで-18kgのダイエットに成功したという。達成後、1年半経過した今も、体型は維持しているそうだ。
実際、どんなことを行ったのだろうか。
「ベースは食事です。2013年の「Nature」という有名な科学雑誌に、ジェフリーゴードン博士の出した論文を読み、そこから2つのことを意識しました。一つ目は腸内細菌の多様性が少なくなると太りやすくなるということから、色んな発酵食品を摂り入れました。二つ目は、腸内細菌の中に痩せ菌といわれるものがあり、『水溶性食物繊維』をエサに短鎖脂肪酸という物質を作ってくれるということです。短鎖脂肪酸は食欲の抑制、体重の減少につながるとわれています。そのため、水溶性食物繊維を積極的に摂りました。
ダイエットといえば糖質制限ですが、私はそこまで行いませんでした。理由は、糖質制限をしすぎると食物繊維まで少なくなってしまうためです。太るのは血糖値の急上昇なども関わってくるので、どんな糖質を摂るかが重要になります。うどんではなく、そばを摂り入れたり、白ご飯ではなく雑穀米やもち麦を混ぜたり、パンは小麦粉ではなくライ麦パンなどに変更することで、血糖値の急上昇を抑えるように食事管理をしていきました」
また食事管理だけでなく、運動や自律神経も整えていくことが腸活につながっていくという。
「運動は、HIIT(高強度インターバルトレーニング:High-Intensity Interval Training)を行いました。4分など短時間で追い込む方法で、有酸素運動の6倍の脂肪燃焼があるともいわれています。私はHIITを週3~4回行うことで、運動習慣を身につけました。忙しいビジネスマンにおすすめです」
便秘に悩んでいる人は、今回紹介された対策を実践してみよう。また腸活はダイエットにもつながるようだ。ダイエットを志している人は、ぜひ行ってみてはいかがだろうか。
出典:ウンログ「新型コロナウイルス対策とうんちに関する実態調査」
取材・文/石原亜香利
コロナ禍で悩む男性が急増!腸活アドバイザーに聞いた便秘の解消法| - @DIME
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