今がおいしい長芋。晩秋は「秋掘り」といわれる新物が店頭に並びます。粘りのある独特の食感が特徴ですが、切り方や調理法によってさまざまなおいしさが楽しめる食材です。古くから「山薬(さんやく)」として栄養価が評価されてきた長芋について、栄養士の和漢歩実さんに聞きました。 【画像】長芋だけではない 冬においしい野菜一覧 ◇ ◇ ◇
旬は2回 新鮮なものの選び方や保存のコツ
長芋は通年で見かける野菜の一つですが、実は旬があり、生産地域によっては旬が2回あります。今の時期から12月頃までが「秋掘り」、2月から4月頃までに収穫するものが「春掘り」といわれます。秋掘りは新物らしくみずみずしさが特徴で、冬の寒さに耐えた春掘りは凝縮された旨味が特徴です。 新鮮な長芋の選び方のポイントは次の3つです。 1. 皮:表面にハリとツヤがあるもの 2. 太さ:ふっくらとして太さが均一 3. 見た目;まっすぐ伸びている カットしたものを選ぶ場合は、切り口がみずみずしく表面に傷がないもの、できれば太いものが良いでしょう。 保存のポイントは乾燥を防ぐこと。丸ごと1本を保存する場合は、新聞紙など紙で包み、風通しのいい冷暗所で保存して乾燥を防ぎます。カットしたもの、または使いかけの長芋を保存する場合は、断面の水分を拭き取り、片栗粉をつけてラップでぴったりと包み冷蔵庫の野菜室で保存します。 冷凍保存する際は、皮をむき好みの大きさにカットしてラップに包み保存袋へ。すりおろした状態で保存袋に入れて冷凍するのも良いですが、皮をむいて丸ごと冷凍保存しておくと、すりおろす際にぬめりが少なくおろしやすいです。かゆみ防止のため、手で持つ部分はキッチンペーパーで包んですりおろすと良いでしょう。
エネルギーが低めで食物繊維も豊富
長芋は、山芋(やまのいも)類の一種。薬膳では「滋養強壮」や「老化防止」に関係する食材として古くから注目されています。食欲が落ちる暑い時期に食べることが多いと思いますが、乾燥が気になるこれからの時期こそ取り入れたい食材です。体を潤しエネルギー量も低めで食物繊維も含まれているので、美容とダイエットが気になる人の強い味方ともいえそうです。 日本食品成分表2020年版(八訂)を基に100グラムあたりの栄養価を見ていきましょう。 長芋のエネルギー量は64キロカロリー。他の山芋類を見ると、イチョウ芋が108キロカロリー、大和芋が119キロカロリー、自然薯が118キロカロリーなので、最もエネルギー量が低くなります。ちなみに、タンパク質の栄養価を評価する「アミノ酸価」は97(最高値100)。必須アミノ酸の「ロイシン」が少なめです。 ロイシンの多い食品としては動物性タンパク質を含む魚や肉、乳製品が知られています。ダイエットの視点で考えるならば、卵やカツオ節、“畑の肉”と呼ばれる大豆の加工品、納豆や豆腐などと一緒に食べると、長芋に不足するアミノ酸を補いタンパク質の栄養価を上げることができるのでおすすめです。 特徴として、長芋はでんぷん(糖質)分解酵素「アミラーゼ」が多いです。これは長芋自体に含まれる糖質はもちろん、ごはんなどに含まれる糖質の消化も助けてくれます。エネルギー代謝に関係するビタミンB群も比較的多めです。アミラーゼやビタミンB群は熱に弱いので、生のまま食べると良いでしょう。 また、ネバネバのぬめり成分「ガラクタン」は水溶性の食物繊維。水に溶けやすい性質で粘着性があるので、胃から腸への移動に時間がかかり、食べすぎや血糖値の急激な上昇を防ぐことが期待されています。各研究が行われていますが、機能性成分としては抗インフルエンザウイルスの「ディオスコリン」や抗認知症に「ジオスゲニン」などが知られています。
食物繊維たっぷりの長芋 年2回ある旬の違いとは? 食感を変化させる調理法4つ(Hint-Pot) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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