国民生活センターが19日、沖縄県の生後10か月の男児が2020年3月、乳幼児用のパンを喉に詰まらせて死亡する事故が起きていたと発表しました。男児は、縦3センチ、横3・5センチ、厚さ2センチのパンを丸ごと口に入れてのみ込もうとして窒息しました。小児科医の山中龍宏さんは、食物の形状や硬さだけでなく、食べ方にも注意が必要だと指摘。事故を防ぐためのポイントを解説しています。
食べ物の形状・大きさ・硬度ではなく、「食べ方」による窒息もあります。 事例1:2002年1月15日、中学3年生の男子生徒3人が、給食で出されたミニロールパンの早食い競争をした。そのうちの一人が、一口でパンとサラダを食べ、牛乳を飲んだところで教室を飛び出し、廊下の手洗い場で苦しみながら倒れた。教員らが、生徒ののどに詰まった食べ物をかき出すなどし、救急車で病院に運んだが、3か月後に死亡した。生徒らは、「正月のテレビ番組を見て、おもしろそうだからやろうと思った」と話している。(愛知県尾西市) 事例2 :生来、健康な10か月の男児。午後3時ごろ、母親と二人のとき、おやつとして乳幼児用に市販されているパン(3~4センチ大)を食べ始めた。いつもは同じパンを、本人が小さくかんで食べていたが、母親が一瞬、目を離した隙に、パンを一つ、まるごと口に入れて飲みこもうとした。母親が慌てて子どもの口に手を入れてかき出そうとしたが、少量しか取り出せず、直後に苦しそうに 悶もだ え出した。午後3時25分に救急要請し、救急隊が到着した時は、溶けたパンが口の中に充満していた。午後4時4分に入院し、口の中を見たところ、のどの奥までふやけたパンが詰まっていた。12日後に死亡した。
食べ物による窒息は4歳以下が多い
3~4歳までが、食べ物による気道異物や窒息がよく発生する時期です。しかし、小学生でも食べ物による窒息は起きています。 「4歳まで」というのは、わが国の死亡統計が根拠になっています。年齢階層別の死亡総数に占める「気道 閉塞へいそく を生じた食物の 誤嚥ごえん による死亡数」の比率をみると、乳幼児においては、0歳0.6%、1歳1.1%、2歳2.2%、3歳1.0%、4歳1.7%となっており、全人口の平均0.4%を上回っています。 1) 5歳以上になると、全人口の平均値を下回っていますので、「4歳まで」としました。もし5歳でも、ある食べ物で窒息死する例が多発すれば、4歳から5歳に変更すればよいと思います。4歳という数値は、一つの目安と考えてください。 次に、知っておくべきことを示します。 ・4歳までは、食べ物による気道異物・窒息が多い ・3歳児の最大開口口径の平均値は39ミリである ・子どもの手が届く高さと距離 ・気道異物・窒息の危険性が高い食べ物(「 教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン 」事故防止のための取組み-施設・事業者向け-、p21)。 ・乳幼児に対し、上の子どもが危険な食べ物を与えることがある ・下の子どもが、上の子どもと同じものを食べたがることがある ・嚥下(えんげ) 障害のある子どもでは、食べ物による窒息が起こりやすい ・窒息したときの対処法
幼児用のパンで窒息死…食物の形状・硬さだけでなく「食べ方」にも注意(読売新聞(ヨミドクター)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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