もうすぐ入学シーズン。食物アレルギーの子どもが安全に学校生活を送れるよう備えたい。
「友達がこぼした給食や、家庭科などの授業、豆まきのような行事にも注意が必要です」
国立病院機構福岡病院(福岡市)のアレルギーセンター顧問で小児科医の柴田瑠美子さんは、学校生活でのリスクを挙げる。
柴田さんによると、食生活の多様化などを背景に食物アレルギーは増えており、近年は1~5歳の約20人に1人に見られる。急性の激しいアレルギー反応「アナフィラキシー」の診断を受けた小学生は、2013年調査では約2万8000人で、前回調査時(04年)より約1万7000人多かった。
アナフィラキシーは命にかかわることもあり、応急処置の注射薬「エピペン」を常時携帯する。学校では、緊急時に教職員らが注射を打つよう国が指針を出している。柴田さんらが設立したNPO法人・福岡食物アレルギーネットワークは、エピペンの使い方の実技講習を行っており、ホームページで動画も公開。昨夏には、子どもがエピペンを持ち歩きやすい専用バッグも開発した。「もしもの時の対応に不安を抱える保護者は多い。学校に十分説明し、理解や対策を求めることが大切」と話す。
給食に関しては、以前は弁当持参を求められることが多かったが、近年は卵や小麦、ナッツ類といったアレルギーの原因となる食品を除いた「除去食」を提供する学校が増えている。ただ、原因食品の全てを避けるのがいいとは限らない。少しずつ口にすることで次第に改善することも多く、必要以上の除去は成長期の栄養不足にもつながりかねないからだ。
柴田さんは「アレルギーに詳しい医師に相談し、安全に食べられるものを確認して。友達と同じ給食を食べることは生活の質を高めます」と力を込めた。
■学校生活での注意点
・給食で除去食を利用するかどうかは医師と相談して決め、学校指定の書類で症状などとともに丁寧に伝える
・給食がこぼれた時や、授業や行事で原因食品が出る際には、口にしたり触れたりしないよう配慮してもらう
・運動でアレルギーが誘発される病状では、運動前の除去食を徹底するか、食事直後の運動を控える
・エピペンが必要な場合は毎日携帯させ、学校と対応方法を十分相談する
#食物アレルギーの子の入学(上)友達がこぼした給食、家庭科の授業、豆まき行事にも注意 - 読売新聞
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