わが町高知県黒潮町では防災缶詰を製造販売している。7大アレルゲン対応が大きな特徴だ。近年、全国の被災地へ支援物資として贈ることが多い。今夏は、静岡県熱海市の被災地への支援となった。毎度、支援のたびに思うのだが、被災地での食物アレルギー対策は立ち遅れていると感じる。
熱海の土石流の被災地に実家が近く、行方不明者の捜索隊員へ懸命の支援をしていた俳優の伊達直斗(だてなおと)さんとご縁があり、わが町が製造販売している食物アレルギー対応の防災缶詰を必要な人へ届けていただいたのだが、現地の反応は「アレルギー?そんなことこの地域には関係ないという反応が大半だった」という。食物アレルギーは主に子供の課題であるため、高齢化が進む被災地にとって身近でないという地域性があるようだ。現実にはニーズがあり、伊達さんは必要とする家族に缶詰を届けてくれたのだが、受け取った家族は「他に困っている人がいる」「買い出しで何とかする」と遠慮がちだったといい、こうした反応にヒントがあると感じた。
社会には性別や年齢、身体的、精神的にハンディを抱えた方は多くいるが、食物アレルギーは可視化されないため認知されにくい。時に「嗜好(しこう)の問題」「好き嫌い」などと誤解されることもあり、目に見えないだけでなく、第三者にとって実感が得られないというのがさらにやっかいだ。
「食物アレルギー対策必要」熱海の被災地支援者 - iza(イザ!)
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