兵庫県西宮市立の小中学校で2024年度から、食物アレルギーのある子が食べられるよう、8大アレルゲン(特定原材料)を使わない米粉カレーが提供される。アレルギーのある子を育てる保護者の会「みやれっこほーむ」が要望を重ね、市教育委員会が採用を決めた。子どもに弁当を持たせている保護者たちは「友達と一緒の給食を食べさせてあげられる。大きな一歩」と喜ぶ。(山岸洋介)
市教委によると、22年度は市立校に通う小中学生約3万7千人のうち、約1200人(3・3%)は学校側が何らかのアレルギー対応を取り、約900人(2・5%)は代替食を持参していた。
みやれっこほーむは12年10月に結成。会員は現在11人で、月1回ほど集まって情報交換したり、悩みを相談し合ったりして交流するほか、理解を広げるための講習会も催している。
昨年11月には「給食時に寂しい思いをする子を減らしたい」と、給食のアレルギー対応に取り組む「給食チーム」を設立。今年1月、会の結成以来3回目となる要望を市教委に提出し、具体的なメニューとして米粉カレーを提案した。
市教委も前向きに応じ、先進地の大阪府箕面市を視察するなど研究や試作を重ね、導入を決めた。24年度は2回提供し、子どもや教職員にアンケートを実施して定番化を目指す。
年間200回ほどある給食の中で、カレーは約10回登場する人気メニュー。市教委は「カレーは給食の象徴的な存在。今後もさまざまな献立や食材、調理法を研究していく」。みやれっこほーむ代表の植村彩さん(39)と給食チームのリーダー門林里奈さん(47)は「思いを受け止めてくれ、本当にうれしい。少しずつでもアレルギー対応が進むよう、協力していきたい」と話した。
食物アレルギーある子でも食べられる「米粉カレー」学校給食に 保護者の会、要望実る 西宮、来年度から - 神戸新聞NEXT
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